男性型脱毛症(AGA)に対するフィナステリドは性機能障害と関連しない:調査に基づく単一施設、対照試験

湘南美容クリニックAGA福岡院の分山です。

久しぶりのブログ更新になります。

前回と前々回の2つの記事は、SEOを意識し過ぎたばかりにこれまでと色合いの違う記事になってしまいました。すみません。

今回は、AGAに関しての面白い文献を読みましたので、それを共有させて頂きたいと思います。

読んだ論文はこちら

Finasteride for Androgenetic Alopecia Is Not Associated with Sexual Dysfunction: A Survey-Based, Single-Centre, Controlled Study
男性型脱毛症(AGA)に対するフィナステリドは性機能障害と関連しない:調査に基づく単一施設、対照試験

ABSTRACT

Background: The occurrence of sexual dysfunction side-effects associated with finasteride use in men with androgenetic alopecia (AGA) is thought to be less prevalent than is publicized. There is a need to investigate sexual dysfunction among finasteride users with population-based controls.

Objective: To evaluate the presence of sexual dysfunction in men using finasteride or not using finasteride.

Method: Adult men visiting a dermatologist’s office for any reason were asked to complete a survey including a modified version of the Arizona Sexual Experience Scale (ASEX) to assess the presence of sexual dysfunction with and without finasteride use.

Results: Data from 762 men aged 18-82 were collected: 663 finasteride users and 99 non-finasteride users. There were no significant differences between finasteride users and non-user controls in reporting sexual dysfunction using the ASEX. Regression analysis indicated that self-reporting libido loss and reduced sexual performance, not finasteride use, predict a higher ASEX score.

Conclusion: The use of finasteride does not result in sexual dysfunction in men with AGA. These data are consistent with other large survey-based controlled studies.

英語力には自信の無い自分ですが、Google先生に助けて貰いながら読んだところ、下記ような内容でした。

アブストラクト(要約)

背景:男性型脱毛症(AGA)の男性におけるフィナステリド使用に関連する性機能障害の発生は、公表されているよりも少ないと考えられている。集団ベースの対照を有するフィナステリド使用者における性機能障害を調査する必要がある。

目的:フィナステリドを使用している男性とフィナステリドを使用していない男性における性機能障害の存在を評価すること。

方法:何らかの理由で皮膚科を受診した成人男性を、フィナステリド使用の有無に関わらず性機能障害の存在を評価するために、修正版アリゾナ性体験尺度(ASEX)をするよう依頼された。

結果:18~82歳の男性762人(内訳、フィナステリド使用者663人、非フィナステリド使用者99人)からデータを収集した。性機能障害の報告にASEXを使用した場合、フィナステリドの使用者と非使用者の対照群との間に有意差は認められなかった。回帰分析の結果、自己申告による性欲喪失および性的能力の低下が、フィナステリド使用ではなく、より高いASEXスコアを予測することを示した。

まとめ:フィナステリドの使用はAGAの男性に性機能障害を引き起こさず、これらのデータは他の大規模な調査に基づく対照研究と一致している。

以下に、本分の内容を自分なりにまとめます。Google先生の助けをかりながら読みましたが、ニュアンスに誤り等があるかもしれません。

もし原文を読みたい方は、Pubmedで検索してご覧ください。

イントロ

フィナステリドは、わずかな割合で性機能に関連する有害事象が報告され、対照試験の裏づけもある。市販後調査においても、性機能障害の報告の増加はフィナステリド・デュタステリドの療法と関連している。

機序は不明だが、いくつかの可能性が提唱されている。

それにも関わらず、フィナステリドに関連した性機能障害は実臨床での経験される事はは少ない。

メタアナリシス、系統的レビューでは、AGA治療と性機能障害に対するフィナステリド使用に有意な関連性は認められなかった。

ASEXは性機能障害を評価する為の信頼性が高く、感度の高い事が示されている。

方法

アメリカのオハイオ州の皮膚科を受診した男性に、性に関する調査をした。ASEX、フィナステリド使用期間、性欲減退、性機能障害等の質問をした。

ASEXは5つの質問からなり、各々の質問に1(非常にそう思う)から6(全く思わない)までの尺度で回答できる。
例えば、「簡単にオルガスムに達する事が可能か?」など。合計点数が14以下は性機能障害なし、15~18は軽度、19以上は性機能障害ありと考えられた。

一方向分散分析を用いて、フィナステリド使用群と非使用群のASEXスコアを比較した。

結果

762人の男性が調査を完了し、663人が様々な期間でフィナステリドを使用していた。

平均年齢は、使用群と非使用群の間に有意差はなかった。

性欲喪失、性的能力低下の割合は、使用郡と非使用群の間に有意差はなかった。

ディスカッション

762人の男性におけるASEXを用いた性機能障害の報告は、フィナステリドの使用と有意な関連はなかった

性欲喪失、性行動の低下、性機能障害を示すASEXスコアを有する男性に差は無かった。

加齢と性欲・性的能力低下の自己申告が、より高いASEXスコアを予測する為の指標である。

脱毛症の男性は、治療に関係なく本質的に性機能障害にかかりやすく、脱毛症に関係なく性機能障害は一般集団において稀ではない事を示唆する研究を反映している。

フィナステリドはAGAの治療に継続して処方したほうが良い

個人的な感想

フィナステリドの性機能障害への影響に関しては以前から話題になっており、関係があるという論文、関係が無いという論文、多々有りました。

今回の論文は関係が無い事を支持する内容で、実際の臨床の中でも「勃起しなくなった」「性欲がなくなった」という訴えはほとんど聞きません。

ただ、こちらから尋ねれば「そういえば薬を飲み始めてから性欲が無くなった気が・・・」などと返答される方は多く、僕自身もフィナステリドを内服し始めてから性欲が減退した感じがしております。

論文の中では、性欲減退は加齢・プラセボなどの影響と言われていましたが、一人の男としては「年齢による性欲減退とは認めたくない」「フィナステリドのせいであって欲しい」というのが正直な気持ちです。

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